これって犬の熱中症?よくある症状と対処法
この記事の最終更新日は、2015年8月18日です。
猛暑日が続いています。ここ数日、気温は35度を超え、室内の温度は34度という暑さです。人間でも、この暑さは身体にこたえます。人間よりも暑さに弱い犬なら、なおさらです。
かわいい愛犬を熱中症から守るためには、まず、情報を収集すること。そして、対策グッズを活用して、体温が上がらないように気を配ってあげることがとっても大切です。
犬の熱中症の初期症状
呼吸とよだれ
犬が暑さで苦しんでいる様子はすぐにわかります。「ハァハァハァ」と下をベロンと出して、せわしない呼吸をしているときは、「暑いよ……」というサイン。異常な量のよだれをボトボト落としていることもあります。
身体が熱い
犬のお腹あたりを触ってみると、「熱いな……」と感じるはずです。身体の外側から触れても熱く感じるほどなのですから、体内はもっと高温になってしまっています。
充血している
健康な犬の口の中はきれいなピンク色ですが、充血して赤みが増していたら、要注意です。
また、耳の中や目が充血するケースもあります。
これらの症状は、比較的よく見られます。すぐに水を摂らせて、身体を冷やすなどの処置をすれば、おさまることがほとんどです。
我が家で初めて飼った雑種のごん太も軽い熱中症になったことがあります。
中期症状
嘔吐
気温が高い時期に犬が嘔吐したら、熱中症の可能性を疑ってください。
この前、トイプードルのクッキーちゃんも、嘔吐したそうです。黄色い胃液のようなものを吐いたときと、食べた物が消化されずに出てきたときがあったとか。
お留守番中のできごとでした。
下痢
突然、下痢をする場合もあります。
ワンコが嘔吐や下痢をすると、「食あたりかお腹を壊したのかな……」と思ってしまいがちです。熱中症の症状で、嘔吐や下痢をすることがあることを知っておかないといけませんね。
ふらついたりぐったりする
犬が暑さでダメージを受けているときは、ふらふらとよろけながら歩いていたり、ぐったりして動こうとしなくなります。
命に関わる症状
軽い熱中症ならば、時間がたてば元気になります。でも、命に関わるほどの重い症状もあります。
声をかけても反応しない
飼い主さんが名前を呼んでも何の反応もない!こんな症状はかなり危険です。意識がもうろうとしていたり、意識を失っている可能性が高いので、急いで動物病院に連れていかなければなりません。
震え
身体の一部が小刻みに震えることがあります。身体全体に震えがくる場合もあります。
筋肉が震える症状が出るのは、重症の熱中症です。
血が出る
嘔吐したときに血液が混じっていたり、血便や血尿が出たら、かなり悪い状態です。
対処法
愛犬に上記のような症状があるときは、すぐに対処してください。
動物病院に行く前に身体を冷やす
愛犬の意識がなくなったり、震えが止まらなかったり、血が出ていたりすると、気が動転してしまいます。
慌ててしまって、「早く、動物病院へ行かなければ!」と思ってしまいがちですが、まず最初にするべきことがあります。
熱中症の症状がひどいときは、愛犬の身体を冷やしてあげることが一番大事です。動物病院に行く前に、体温を下げる処置を行います。とにかく冷やす!
そして、ある程度体温が下がってから、獣医さんに診てもらってください。
冷やし方
外にいる場合は、ホースやバケツで愛犬の身体に直接水をかけて冷やしてあげます。
家の中にいるときは、氷や保冷剤、アイスノンなどをタオルに包んで身体に当てます。このとき、首のまわり、前足のつけ根、後足のつけ根のあたりを冷やしてあげると、すばやく体温を下げることができます。
昨日、トイプードルのクッキーちゃんがいつものように、私のところに走ってきてくれたのですが、「ハァハァハァ」がずっととまらなくて。抱っこしていると、「すごく熱いな」と感じたんですね。
「これは、アカンわ」と思ったので、首に巻いていた保冷剤を包んだ手ぬぐいを外して、クッキーちゃんの身体に当ててみました。首の周囲を中心に。やっぱり、冷やすとラクになるみたいでした。
ケーキを買ったときについてくる保冷剤。捨てずにストックしておくと、暑さ対策に大活躍してくれますよ。私も母も、毎日、保冷剤で首の後ろを冷やしています。
他には、冷水に浸したタオルをワンコの身体にかけてあげるという方法もあります。
水分を与える
自力で水を飲める程度の症状のワンコには、水分を与えてあげてください。
冷たいお水でもいいですし、ポカリスェットのようなスポーツドリンクを薄めて飲ませてあげてもOKです。
ただし、人間用のスポーツドリンクを常用するのはおすすめできません。緊急時のみにしたほうがよさそうです。
犬の体液に合うように調整された、犬用のスポーツドリンクがあります。何本か買い置きしておくと、いざというときに安心できますね。夏場のお散歩後の水分補給にもピッタリです。
熱中症になったときだけでなく、普段、体調がよくないときに飲ませてあげることもできるので、便利です。脱水症状に陥りがちな高齢犬にもどうぞ。
動物病院で診てもらう
体温が下がったら、急いで動物病院へ。
自力で水を飲めないほど重症の場合は、一刻も早く点滴で水分補給をしなければなりません。ワンコの身体を冷やしてあげると同時に、動物病院の先生と連絡をとって、指示を仰ぐ必要がある場合も。
熱中症の対処は、とにかく、素早くが基本です。対処するのが早ければ早いほど、リスクが少なくなります。
後遺症
熱中症の症状から回復したとしても、後遺症が出ることがあります。
脳に障害が残ってしまったり、内臓がダメージを受けて正常に機能しなくなったりと、かなり重い症状がでることもあり得ます。
犬の熱中症を決して甘くみてはいけません。ちょっとした油断が取り返しのつかない事態を招くことになります。
この夏も、何人もの方が暑さで命を落としました。かわいいワンコが元気に夏を越せるよう、常に気を配ってあげてください。