7ヶ月のトイプードルが避妊手術をすることになり・・・
前の2つの記事で書いたように、トイプードルのクッキーちゃんは、私にとてもなついてくれています。もはや、よその犬とは思えないくらいに。
生後6ヶ月を過ぎた頃のことです。
飼い主さんが、「もうすぐ避妊手術をしなければいけないんですよ」とおっしゃったんですね。
私はビックリしてしまいました。我が家ではオスの犬しか飼ったことがなかったので、メス犬の避妊手術については詳しく知らなくて。
まだ1歳にもならない幼犬のうちにするものなのですね。
「まだ、こんなに小さくて幼いのに、身体にメスを入れるのか……」と思うと、息がつまるような感覚を覚えました。
メス犬特有の病気を予防するための避妊手術
トイプードルのクッキーちゃんの場合は、子どもを産ませないためにというのが目的ではありません。将来、発症する可能性のある病気を予防するために、獣医さんから避妊手術をすすめられたのです。
乳腺腫瘍や子宮、卵巣に関する病気を避けるためのものです。
クッキーちゃんの飼い主さんは、犬が人間と同じように乳がんや子宮の病気にかかるということをご存じなかったらしく、「えっ、犬も乳がんになるの!?」と驚いたそうです。
私も犬の避妊についてもっと知りたくなったので、情報収集をし始めました。
ヒート(生理)前の手術
メス犬の避妊手術は、受ける時期によって病気を避けることができる確率が変わってきます。
初ヒート前、つまり、初めて生理がくる前に手術をすると、病気の予防効果が高くなるとされています。
クッキーちゃんが通院している動物病院の獣医さんは、初ヒート前の手術がよいと考えていらっしゃるということですね。
時期については獣医によって意見が違う
犬の避妊については、獣医さんによって意見が大きく異なるという事実があります。
初ヒート前
初めて生理を迎えるまでの時期に、子宮も卵巣も除去してしまうことをすすめる獣医さん。初ヒート前がよいと考えている獣医さんが多いように思います。
1年くらい経ってから
生後1年くらい経ち、ヒートを経験してから手術を行うのが適切だと考えている獣医さん。
骨格がきちんとできあがり、性格も落ち着いてからのほうがよいという意見です。
まだ身体が小さすぎるときに手術をすると、臓器を取り除くのが難しい場合があるとか。
また、避妊手術をする時期が早すぎると、赤ちゃんっぽい性格のまま成犬になってしまうという理由もあるようです。
避妊手術否定派
おそらく、少数派だと思いますが、避妊手術自体を否定している獣医さんもいらっしゃいます。
「健康な犬の身体にメスを入れる必要などない」という意見です。
将来の病気については、絶対に発症するとは限らないし、避妊したからといって、予防効果があるとハッキリと証明されているわけでもないという主旨になります。
飼い主の選択
結局は、飼い主さんが判断するしかないんですよね。愛犬にとって、どうしてあげるのが一番幸せなのか。
メス犬を3匹飼っている方がいるのですが、避妊した子としていない子がいます。どういう理由なのかは、詳しく聞いていないのでわからないんですけれど。
メス犬が歳を重ねて、乳腺腫瘍、子宮や卵巣に関する病気になった経験がある飼い主さんは、迷うことなく、早い時期に避妊手術をさせていらっしゃいますね。高齢で病気になって、苦しむ犬の姿を見ているからこそ、迷わずに決断できるのでしょう。
ともかく、トイプードルのクッキーちゃんは7ヶ月の時期に避妊手術をすることになりました。
前日
手術の前日にクッキーちゃんに会うことができました。
飼い主さんは、少し緊張している様子でした。
「いよいよ、明日ですね。まだ、こんなにちっちゃいのに。代わってあげたくなりますね……」と話ていました。
何も知らないクッキーちゃんは、いつものようにチャカチャカ動いて元気いっぱいです。
それでも、私が複雑な心境で心配そうに見ているのを敏感に悟ったのか、一旦、帰ろうとしてから、再び私に飛びついてきたんです。
「どぉしたん?」とクッキーちゃんをなでながら、「みんながしていることだから、大丈夫、大丈夫」と、私は自分自身を納得させるようにつぶやいていました。飼い主さんは、「うん、うん」と頷いていらっしゃいました。
手術の当日
当日は、クッキーちゃんのことが気になって仕方がありませんでした。
「そろそろ始まる頃かな」とか「もう、終わっただろうか」とか「麻酔からちゃんと覚めたよね?」とか。
すごく心配でしたが、電話したり、家をたずねるのもどうかなぁ……。と思って、おとなしくしていました。
数日後
数日後に、クッキーちゃんの手術当日の様子を知ることができました。
クッキーちゃんが私になついているのを知っていて、3匹のバゼンジーを飼っている方がいるんですね。
私が外に出ているときに、その方が私の家の前を通りかかったんです。そして、「手術の日にクッキーちゃんに会った」と教えてくれました。
自転車のカゴに乗せられて、エリザベスカラーをつけて、しょんぼりした様子で下を向いていたそうです。
クッキーちゃんの飼い主さんのほうから声をかけてくださったとか。「この子、いつもと違うでしょう……」と心配そうにおっしゃっていたそうです。
いつもチャカチャカと元気いっぱいに動き回っている子が、目を合わせようともせずに下を向いてじっとしているのですから、そりゃぁ、不安にもなりますよね。
バゼンジーの飼い主さんは、愛犬に避妊手術をさせた経験があるので、「大丈夫ですよ。今はつらいけど、2、3日したら、元気が出てきますよ」とクッキーちゃんの飼い主さんを励ましてくださいました。
辛そうだったけれど、目はしっかり開いていて、カゴの中でお座りもしていたと聞いて、私はホッと安心しました。
術後の痛みでお座りができない犬
避妊手術を受けた後、痛みがひどくてお座りができなかった犬もいるそうですよ。これは、先ほどの、バゼンジーの話なんです。
我が家の愛犬であるミニチュアピンシャーは、10歳という高齢になってから去勢しました。去勢手術後は、辛そうに「ウーッ……」と唸っていましたが、避妊手術はもっと大変ですよね。
オスと違って、メスの場合は、お腹を開いて臓器を取り出すのですから。
実は、私の母は子宮と片方の卵巣を取っているんです。痛みで苦しんでいる様子を見ているので、余計に心配でした。
もちろん、人間と犬では話が違います。でもね、犬は痛みに強いとはいいますけど、臓器を除去されて平気なはずがないですし。
スッカリ元気になったトイプードル
手術後は、花の手入れを終えるたびに、「どうしてるかなぁ。痛いの少しはマシになったかな」と思いながら、クッキーちゃんの家のほうを眺めていました。
2週間くらい経っていたでしょうか。久々に、トイプードルのクッキーちゃんがやってきてくれたのです。
すっかり元気になって、以前とまったく変わりない様子でした。
手術させたことを後悔した
久しぶりに飼い主さんともお話したのですが。
避妊手術が終わった後、クッキーちゃんの様子があまりにもかわいそうだったので、「手術なんかしなければよかった」と思ったそうです。こんな目に遭わせる必要があったのかなと。
「キュンキュン……」と悲しそうな声をだしていて……。
難しい問題ですよね。避妊も去勢も。必要なのか、不要なのか。判断に迷ってしまう飼い主さんはたくさんいるんじゃないかな。
でもね、犬の回復力って、ほんとにスゴイですよ。人間とはペースが全然違います。みるみる元気になりますから。りゅうのような10歳の老犬でさえも。
性格の変化
避妊手術後は性格が変わるという話を聞いたことがありますけれど、初ヒート前に手術を受けたトイプードルのクッキーちゃんは、性格の変化は感じられないですねぇ。
まぁ、私は飼い主ではないので、家の中での様子は聞いたことしかわからないのですけれど。性格が変わったという話は聞いたことがないです。
太りやすくなる
避妊や去勢をすると、犬は太りやすくなります。
食べることが何より好きなミニピンのりゅうは、かなり太ってしまいました。
りゅうと違って、トイプードルのクッキーちゃんは、元々、食が細い子です。手術後も、食が細いことには代わりがなく、食事を食べ終えるのにかなり時間がかかるそうです。
体重は3.5キロで落ち着いています。この分だと、太る心配はなさそうかな。