10歳の老犬が去勢をするハメに!術後はふわふわのエリザベスカラーでスヤスヤ
この記事は前回からの続きです。こちらの記事をご覧になってから読んでいただくとわかりやすいです。
身体のあちらこちらにイボやしこりが出てきた10歳の老犬、ミニピンりゅう。
今後のことを考えて、獣医さんに去勢手術をすすめられました。肛門周囲腺腫など、オス犬のホルモンに関連して起きる病気の予防になるという理由でした。
母が獣医さんと相談して、手術の日取りを決めてきたのですが……。
10歳の犬に去勢手術をすると聞いた私は「えっ!?」と驚愕してしまいました。
- なぜ、10歳の老犬が去勢をしなければいけないのか。
- 将来、起こるかどうかもハッキリしていない症状を避けるために、辛い思いをさせる必要があるのか。
- このまま、穏やかに最後まで暮らせるかもしれないではないか。
そんな疑問でいっぱいになり、喧嘩腰で母に反論しました。
私の反論もむなしく、結局、ミニチュアピンシャーのりゅうは、10歳という高齢で去勢されることになったのです。
犬の去勢手術のリスク
手術をする以上、リスクは必ずあります。
全身麻酔をして、そのまま目が覚めずに帰ってくることができなくなってしまった犬の話を聞いたことがありますし、麻酔の注射をした瞬間にショック死した犬の話も知っています。
身体にメスを入れるわけですから、何らかの失敗で愛犬に被害が及ぶ可能性だってあります。
まして、りゅうは高齢犬でしたから、それはもう、心配でした。
前回の記事に書いたように、頭にツノのようなできものができたとき、「頭を切って元から取り出す」と言われましたが、結局、その必要はなかったわけですし。
獣医師といえども、その判断が100%正しいとはいえませんからね。手術の当日になってもまだ、私は「ほんとにする必要があるのか」と思っていました。
手術当日
手術の当日は母が付き添いました。
普通は、飼い主さんは一旦家に帰り、手術が終わる頃に迎えに行きますよね。
でも、うちのりゅうは、とっても臆病で怖がりさんなんです。そのことを獣医さんたちもよく理解してくださっているので、特別に配慮していただきました。
麻酔をかける瞬間まで、母が「大丈夫よ」と声をかけて、りゅうの顔を見ながら身体をなでてやります。そして、術後は、麻酔から目が覚めた瞬間に母の姿が見えるよう、母が側で見守っていたんです。
過保護な親バカです。ハイ。
イボの除去と歯垢取りも一緒に
手術のときに、あちこちにできているイボを除去して、歯垢もきれいに取ってもらうことになりました。
老犬なので、そう何度も麻酔をかけることはできません。この機会に、できることは全部しておこうということになったのです。
去勢手術後の様子
母に抱かれて家に帰ってきたりゅう。
術後の様子は、ほんとに痛々しくて。今でも、思い出すと胸がつまる思いです。
まだ少し麻酔が残っているのか、痛みのせいなのか、フラフラとしていて。立ち上がろうとしてもよろけてしまうので、目が離せません。
たまに、「ウ~……」と小さい声を発して、辛そうにしています。こんな声を聞いたのは初めてのことです。
傷口は針金のようなもので、ざっくりと縫ってありました。
「なんだ、この太い針金は!」と怒りがこみ上げてきたことをよく覚えています。
こんなもので縫うのか!と思ったんですね。傷口が哀れで、かわいそうで……。少し血がにじんでいて、腫れているように見えましたし。
「おしっこはちゃんとできるのかな……」と心配でしたが、それは大丈夫でした。ちょっと、やりにくそうな変な格好をしていましたけれど。
柔らかいソフトタイプのエリザベスカラー
犬でも猫でも、手術をしたときはエリザベスカラーをつけることになります。傷口を舐めたり、縫った糸を外してしまわないようにするためのものですね。
ところが、動物病院でもらったエリザベスカラーはプラスティック製で、硬いものでした。これでは、首の周りが痛いだろうし、つけているのが不快だろうと思いました。
そこで急きょ、ソフトな肌触りのものをインターネットで探して注文したんです。
上の写真は、ソフトタイプのエリザベスカラーにアゴを乗せて、スヤスヤと眠っているりゅうの様子です。ふわふわで柔らかいから気持ちいいんでしょうね。
顔の大きさと比べると大きすぎるように見えますが、これね、見た目で想像するよりも軽いんですよ。りゅうは外したいようなそぶりも見せず、機嫌よくつけてくれていました。
ほら。こんな風に、大きな赤いエリをつけて、窓からお外を眺めていますよ。
画像が悪くてごめんなさい。
しかも、後ろ足がないみたいに写っちゃってますね。コワ……。
マーキングをしなくなった
去勢をする前は、壁やふすまがおしっこの跡でひどいことになっていたのですが、術後はマーキングがピタッと止みました。
りゅうの場合、マーキングというよりも嫌がらせの意味が大きいと思っていましたが、術後に止んだということは、れっきとしたマーキング行動だったのですね。
りゅうは、お散歩で外に出ているときには、一切マーキングをしない犬でした。だから余計に、家の中で、あっちこっちにおしっこを引っかけまくっていたのでしょうね。
おしっこの始末をしなくてよくなったので、母も私も大助かりです。
太りやすくなった
去勢をした犬は太りやすくなります。太らないようにするためには、食事を制限する必要があるんですよね。
老犬になっても食欲旺盛なミニピンりゅうは、かなり太ってしまいました。
このときに、老犬用につくられたカロリーの低いドッグフードを試してみればよかったのかもしれません。
ドッグフードを食べさせようとすると、すご~く嫌そうな顔をして食べてくれない犬なので、相変わらず、手作りの食事を与えていたんです。使うお肉をカロリーの低いササミに変えてはいたのですが、それだけでは気休め程度にしかなっていなかったのかも。
性格の変化
去勢後に性格が変わったということは、特には感じられませんでした。
よく吠えるようになったり、凶暴になったり。逆に、何にも興味を示さない無気力な犬になってしまったという話を耳にしたことはありますけれど。
以前のように、おもちゃで遊ばなくなったような気はしますけど、これは年齢のせいなのかもしれませんし。
最後に
幸い、手術は無事に済み、術後の回復も順調でした。
でも、年老いた犬にこんな痛くて辛い思いをさせる必要があったのかどうか、それは今でもよくわかりません。
りゅうはどう思っていたのかな……。
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手術前のマーキング行動がどれくらいひどかったのかは、この記事をご覧になるとよくわかります。